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色つきの女

1982年の春のことだったと思う。

THE TIGERSが復活して、「色つきの女でいてくれよ」を大ヒットさせた。沢田研二・加橋かつみ・岸部一徳・森本太郎・岸部シローでの復活だった。それ以前から沢田研二が大好きで、リアルタイムで聴いたことのなかったTHE TIGERSのベスト盤なんかも買っていたぼくにとって、この復活劇は胸をときめかせるのに充分だった。沢田研二が中央にいない。常に右から二番目で、岸部一徳と対称の位置。中央にはトッポ(加橋)が陣取る。この曲のこの立ち位置も新鮮だった。

この曲を聴きながら、中学3年生のぼくは大きな疑問を感じていた。

「色つきの女」って何だ?

同じ年の暮れ、かの「THE BEST HIT USA」で、ある1本のプロモーション・ビデオを見て、その謎が解けた。

「色つきの女」ってのは、こんな女に違いない……と。

それはSTEVIE NICKSの「IF ANYONE FALLS…」のPVだった。このビデオである。

ぼくはこの1本のビデオで、完全にSTEVIE NICKSにに惚れた。ルックスはもちろん、ヘアスタイル、ファッション、そしてハスキーボイス。すべてがまさに、「色つき」だった。

次の日、この「IF ANYONE FALLS…」の収録された「THE WILD HEART」というアルバムを買った。全曲、素晴らしかった。中でも、TOM PETTYとのコラボ曲「I WILL RUN TO YOU」にはしびれた。

更に次の日、ぼくはもう一度レコード店に行って、ファーストアルバム「BELLA DONNA」を買った。これまたしびれた。特に、このアルバムにも入っていたTOM PETTYとのコラボ曲「STOP DRAGGIN' MY HEART AROUND」には衝撃を受けた。

もう我慢できなかった。お年玉が手に入るやいなや、ぼくはTOM PETTY、FLEETWOOD MAC、そしてMACメンバーのソロアルバムを次々に買った。83年の1月2日、ぼくは十数枚のレコードを一度に買ったはずだ。あのときのワクワク感はぼくの中で、いまでも忠実に形象化されている。あの帯広の街、サウンドコーナーというレコード店を出て、黄色い車体の十勝バスに乗って帰るときのワクワク感を。

そうして、ぼくはブルースを聴くようになった。いまでもよく聴くのは、JOHNNY WINTERとSTEVIE RAY VAUGHANだ。

ときは過ぎた。あの頃、30代半ばだったSTEVIE NICKSも既に60を越えた。しかし、高校1年の冬に感じた、あの世界観が変わるようなときめきを、以来、ぼくは、少なくとも音楽に対しては一度も感じていない。

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