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学校は合唱練習の真っ盛りである。今年のぼくは副担なので、特にどの学級を指導するというのでもなく、すべての学年のすべての学級の練習を眺めて歩いている。

練習が始まって1週間。そろそろ歌声に差がつき始めている。

見ていると、大きな声で鼓舞するタイプの担任の学級において、練習が充実しているように見える。それに比べて、生徒の主体性をとか、生徒たちに話し合いをさせてとかいった動きを示している担任の学級は、いまのところ、まだまだ軌道にのっていない印象。そもそも声量が圧倒的に足りなくて、廊下でパート練習をやっていても、隣の学級に押されてしまう始末。隣があんなにうるさくては練習にならない……などとブツブツやっている。

合唱コンクール指導の初期練習は、ぼくの経験から言っても、あれこれ迷わすのではなく、学級担任が自信を示しながら、不安や迷いを払拭してやるところから始めるのがいい。大人だって「とにかくやってみよう」と方向性が見えている方が取り組めるものである。生徒たちも同じなのだ。

やる気のなさそうな子にやる気を出させるにはどうしたら良いか。

そんなことをあれこれ考えて、時間と労力を費やすのはもったいない。もともとやる気のある生徒たちにとにかく歌わせ、楽しく、前向きな雰囲気をつくり、やる気のない生徒たちを少しずつその空気に巻き込んでいく。それが合唱に限らず、行事への取り組みの正しい在り方である。

ただし、ただ鼓舞するだけのやり方は、一本調子であるだけに、ぼくの経験上2週間までは続かない。その停滞が1週間で来るのか、10日で来るのか、2週間で来るのか、それは学級によって様々だが、いずれにしても2週間その雰囲気が継続することだけはない。これは確信がある。

その停滞の3日目、生徒たちも自分たちは停滞している…と自覚し始めた日、そこが大きな指導のタイミングである。その見極めができれば、学級の合唱への取り組みはうまくいく。このタイミングをはずすと、指導はかなり難しくなる。

ぼくの学校も今週はこのまま行くのだろうが、来週からタイミングを逸する教師、タイミングをうまくつかまえて、或いは偶然にもたまたまつかまえて軌道にのる教師とがあらわれるはずである。来週が待ち遠しい。

これだから、合唱コンクール時期はおもしろい。

とはいえ、所詮、今年のぼくは「外野」にすぎない。

当日、審査をがんばろう…っと。

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