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ぼくに戻る

人がなすべきことには三つあるように思う。一つ目に「やりたいこと」、二つ目に「やらなければならないこと」、三つ目に「自分を必要としてくれている人のためになること」である。

だれしも自分がやりたいと思ったことはやるものだ。しかし、それができない状況に悩む者も多い。いや、「悩む」と言うよりは「焦る」とか「憤る」とか言ったほうがいいかもしれない。「やりたいこと」が「やらなければならないこと」や「自分を必要としてくれている人のためになること」に押しつぶされ、どうしても自分の「やりたいこと」の優先順位が下がって、後回しになってしまうのである。

しかし、一度、立ち止まって考えてみたほうがいい。

その「やらなければならないこと」は本当に「やらなければならないこと」なのか。人に後ろ指さされないためにとか、不義理と思われたくないとか、対して重要ではないしがらみに仕方なくとか、そんな程度のものが多いのではないか。

「自分を必要としてくれている人のためになること」と思って腰を上げるとき、その人がほんとうに自分を必要としているのだろうかと考えたことがあるか。家族とごく少数の旧友を除けば、それはほとんどその人が自分を必要としていると言うよりも、その人と自分とを包み込んでいる、ある種の社会性が自分を必要としているに過ぎないのである。それは立場であったり名前であったり業績であったりするが、それらは決して自分自身が必要とされているわけではなく、自分の虚像が必要とされているだけなのである。

ぼくはこれから、自分の「やりたいこと」を最優先にすることに決めた。「やらなければならないこと」は、自分自身が自分の使命として自覚できることのみをそう呼ぶことにしようと思う。「自分を必要としてくれている人のためになること」は、真にその人が「自分を必要としてくれている」と実感できる場合にのみ行動に移そう。そんなものは企画を見ればわかるし、依頼内容を見ればわかる。ぼくを必要としてくれる人は、具体的に「これについて語ってくれ」という言い方をするからだ。

そして、「やりたいこと」も「やらなければならないこと」も「自分を必要としてくれている人のためになること」も、全力で、かっちりしたものをつくっていこうと思う。

あと10年、不特定多数のために身を削るような、薄っぺらい、安売り的な提案はしない。他人のために人生を送るには、ぼくはまだ若い。狭いけれど深い、10年振りに、再び、そういう研究スタイルに戻そうと思う。そういう40代を送ろうと思う。

ぼくはぼくに戻ろうと思う。

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