人間を信用しないシステム
転勤して最も違和感をもったことは、会計処理の仕方が学校によって異なることだ。教委は会計処理の仕方くらい、統一を徹底できないのだろうか。
ぼくだって教委がどういう会計処理システムを敷いているのかくらいは知っている。しかし、それに従っている学校と従っていない学校があるのは厳然たる事実。その違いが学校長の指導力に比例しているのも事実。
どうも同僚たちや研究仲間たちの話を聞いていると、白石・厚別・清田あたりは、いまだに公然と現生を集めて現生で処理しているらしい。これまで二校、現生をいじらせてもらえないことで過度のストレスを感じながら会計処理をしてきたぼくとしては、この事実に憤りを覚える。現生をいじれないと、安売りしているものを直接購入できないので、高くつくことが多かったからだ。
税金をどう使うか、保護者徴収金をどう使ったか、こうしたことにミスがあっては言い訳が立たない。しかもちょっとした個人によるスダンドプレイがあれば、それは法的に「横領」である。もう80年代ではないし、20世紀でさえないのだ。
教育内容の在り方、つまり教育課程をどう組むかという問題ならば、議論の余地もあろう。しかし、こうした外延的なシステムの構築が遅れているのはまずい。そこに議論の余地はない。
給食システム、救護システム、施設設備システム、そして会計システム、こうした学校を取り巻く周辺業務については徹底して管理を強化すべきである。これを現場教員の仕事に割り振っているから、いつまでたっても変わらないのだ。現場教員は自分の仕事ではないと思うだろうし、事実、こうした仕事が教員にとって授業や生徒指導に優先することはまずあり得ない。しかも、残念ながら、多くの管理職にもこの能力は備わっていない。教員あがりの管理職とはそういうものである。
一般教員であろうと管理職であろうと、転勤した教員が、生徒の実態にも生徒指導のシステムにも学年運営や学校運営のシステムにも慣れていない時期に、周辺業務のシステムについてしっかり学ぼう、慣れようなどと発想するはずもない。
特に会計については、向陵に転勤したときにも、上篠路に転勤したときにも、同じことを感じた。ミスが許されない領域において、システムをよく理解できないということはかなりのストレスである。生徒指導や修学旅行で徹夜するのならともかく、監査が入るたびに徹夜する学校が多いとの話もよく聞く。
周辺業務の一括管理システムを早く敷き、徹底すべきだ。そうすれば、そこから漏れるのはいわゆる「あずけ」だけになるはずである。それが発覚した場合には、犯罪として徹底して糾弾すればいい。「あずけ」だけは間違いなく、それをやる者は「やる気」でやっている。
とにかく、繰り返しになるが、教委は会計処理くらいは一括管理を本気で徹底すべきだ。何か問題が起こってから、「各校の校長からは適正に処理しているとの報告を受けている……」などという言い訳は聞きたくない。
個人的には、現生をいじらせないことが理に適っていると思う。その意味では教委の方針は現行のままでいい。ただそれを徹底して管理せよ、違反している場合には市費を大きく減額するくらいに徹底せよ、と言っているのである。そうしなければ、「犯罪を意図しない犯罪者」「悪気のない犯罪者」を再びつくってしまうことになる。そうなる前に、教委がとるべき手立てがたくさんあるはずである。
こういうことについては、「人間を信用しないシステム」を敷く。それに尽きる。
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コメント
「人間を信用しないシステム」ですか。意味深な言葉ですね…。僕には、いじめがこの言葉を作っているような気がしてなりません。長い間いじめが続くと、社会も出ても、ストレスとうまく付き合う方法もわからずに、善悪の区別がつかないあまり、犯罪に走る人が後を絶たない…。勿論、これはほんの一例ですけど、僕には何度もこうなりかけただけに、それしか思い浮かべません。
投稿: 厚別中学校卒業元3-6平井 壱武(かず) | 2009年5月16日 (土) 22時14分
穿ってるよ。おまえが思っているよりもずっと、おまえはみんなに愛されていた。亡くなった父さんや母さんはもちろん、担任のオレ、そして碓井や小熊からも。クラスメイトとも、休みの日にいっしょにスキーに行ったりしていたじゃないか。
投稿: 堀裕嗣 | 2009年5月16日 (土) 23時00分
暗い、穿ったコメントですいません。
思わず泣きそうになりました。被害者意識が強すぎました。
投稿: 厚別中学校卒業元3-6平井 壱武(かず) | 2009年5月16日 (土) 23時06分