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それだけのこと

守秘義務に反する話をひとつ。

今年度、4月から現任校に転勤し、1学年に所属しながらも3年生3クラスに授業に行っている。まずぼくがやろうとしたことは、「やればできる」という感覚をもたせるために、まさに「やればできる」内容を年度当初に復習すること。

1.5時間かけて歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに改める法則と練習、3時間かけて漢文の訓読文を書き下す法則と練習。前者を20問の20点満点、後者を20問の30点満点で小テストをおこなったところ、各学級8割以上が満点。平均点は18点と29点である。

満点をとった子のうち、学習を苦手にしている子、服装等に多少乱れがある子数人に訊いてみたところ、去年の国語は「1」だったという子が何人かいた。中には古文も漢文も点数が0点だったとさえ言う子もいたほどである。

彼らは「堀先生の授業は本当にわかりやすい」と言ってくれた。授業もまじめに受けている。ノートも取っている。たぶん直感的に、彼らは今年、「3」に引っかかるように思う。

ぼくがやったことは三つだ。一つは、歴史的仮名遣い1時間、訓読文の書き下し方3時間、あわせて4時間、本来の教育課程にない復習時間を設けたこと。二つめに、その際、レディネス0の子でもわかるように、法則を難易度の段階に従って細分化して一つ一つマスターさせていったこと。三つめに、最初に、「どんな馬鹿でもわかるようになるように教えてやるからちゃんと聞け。オレの授業を聞いてわからなかったらオレを責めていい」と宣言して授業を始めたことである。

テストの点数をとれない子、学習習慣の身についていない子、そうした子供たちの成績が悪いのには、確かに本人の努力不足もあるだろう。保護者の甘やかしや放任も考えられるかもしれない。しかし、もっとも責任が重いのは、やはり教師なのではないか。

彼らは帰り学活で、自分が満点をとったこと、9割とったこと、ポカミスで1問落としたことを、ニコニコしながら自慢げに話したという。できれば点数をとりたい、わかればそれなりのおもしろさは感じる。それだけのことだ。

そしてこの感覚を抱かせるには、年度当初は「古典」がいい。ここ15年ほど、ずーっと年度当初は「古典」から始めることにしている。

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