美しい雪
あの瞬間のイチローには、何かが憑いていた。
画面の中央に伸びてくる白球。あの白球の伸びを見たとき、よもやセンターライナーにならないだろうな…と、不安がよぎった。軌道が下に向き始め安心した。
ダルビッシュのタイムリー被安打も、川崎の初球サードファウルフライも、この瞬間のためにあったのだとさえ思えてくる。
大掃除が終わって、生徒立ちを下校させたあと、指導要録点検までの20分間の“間”。ぼくは煙草を吸いながら、車にエンジンをかけ、テレビつきのカーナビで見ていた。ふと気がつくと、2時10分から2時25分の間の15分間に、煙草を3本も吸っていた。半分興奮しながら、半分イラつきながら。
イチローの2点タイムリーを見て、エンジンを切った。ドアを開けると、外には粉雪が舞っていた。
初春の札幌らしい、美しい雪だった。
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