履修主義から習得主義へ
授業で説明したでしょ?ちゃんと勉強しなかったから点数取れなかったんだよ。
授業でちゃんと説明してるのに、あいつ寝てて聞いてないもんな。あれじゃ、できるようになるわけないよな。
本人も保護者も進級を希望していますし、学年や学びの支援委員会からも「進級させたい」との旨、意見が挙がっておりますので、総合的に考えて進級を認めていきたいと考えております……。形だけの進級認定会議・卒業認定会議。
これらはすべて、我が国の「履修主義」の教育の産物だ。そろそろ本気で「習得主義」に移行した方がいいかもしれない。
今日の放課後、動詞の活用表づくりの補講をおこなった。ぼくから見て、この補講を受けて欲しいなという生徒、つまりぼくが授業で取りこぼした生徒(言葉は悪いが)が10人いたのだが、特に強制しなくても「やる気があったらおいで」と言っただけで8人が自主的に参加した。やっぱり生徒は「わかりたい」のかもしれない。「勉強の価値が低下した」「勉強が必ずやらなければならないことではなくなった」などと言われる。「最近の子どもたちには勉強ができないことに誇りを感じるものさえ出てきた」などと主張する者さえいる。しかし、活用表づくりなんていう、実社会ではほとんど役に立たないものでさえ、しかもテストでもそれほど配点の高い領域ではないものにさえ、10人中8人はおどおどしながらもやってくるのである。「わからないことが悔しい」とか、「もっと点数を上げたい」とかいう覇気でやってきているようには見えなかった。
8人はこれまでわからなかったことが理解できて、本当に嬉しそうな笑みを浮かべて帰って行った。
ぼくの授業システムは追試と補講の繰り返しがあって、少しだけ「習得主義」に近い。
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